TOP INTERVIEWトップインタビュー

  • 新卒採用はこちら新卒採用はこちら
  • 中途採用はこちら中途採用はこちら

対談テーマ つながる組織
「大学生協」の
向かう未来は

松本 一郎さん

中国・四国事業連合理事長(島根大学 教授)

松本 一郎さん

1991年島根大学大学院を修了後、東京の民間企業にて国策としての地球資源・環境問題についての調査・研究に携わる。2001年より島根大学教授。SDGs /ESDを中心とした環境教育・防災減災教育・理科教育を柱に、地球科学分野の専門研究を行う。小・中学校の理科の教科書の編集に携わることで、全国の児童・生徒への理科教育のさらなる発展を願っている。

中井 傑さん

中国・四国事業連合常務理事

中井 傑さん

1999年入協。鳥取大学生協研究機器担当/PCSS担当時に、パソコン講座を立ち上げ、生協職員のやりがいを知る。
2004年山口大学生協工学部店店長時代に学生インターンシップを採用し、店舗改革を実施。その時の「プロ野球チップス」の企画で全国1位となる。
2009年下関市立大学生協/梅光学院大学生協専務理事となる。
2016年より山口大学生協専務理事となる。
2024年より中国・四国事業連合常務理事。

Q1.大学生協とは? さまざまな活動を通じて未来への人づくりを実践

中井常務 中井常務

 大学生協は、学生や教職員みんなが出資して、みんなで利用し運営をしていく協同組合です。実際に学生が店舗の運営や事業の企画運営をしています。先ほども目にしたのですが、閉店後のお店の前で、学生と生協職員が集まってミーティングをしていました。この光景は、一般の店舗やチェーン店では見られません。まさに大学生協らしいなと思います。

松本理事長 松本理事長

 全くその通りですね。大学生協の魅力は、学生と生協職員が“つながっていく”ことにあります。大学生協は学生が中心なんです。生協の組織の一部である学生委員会は、生協にとってなくてはならない存在。生協職員は、社会に巣立つ人材である学生を支え、成長をサポートしながら、つながりを深めていく役割があります。大学生協は、職員が伴走者として、学生に寄り添い、ともに未来を築いていく組織であると思います。

中井常務 中井常務

確かに、未来を担う学生を支えることが生協の使命です。私たち生協職員は、さまざまな事業活動を通じて学生を支えることに、やりがいを感じています。
 また、大学と大学生協は、“大学運営の両輪”という考え方もあります。大学では教育の立場からのキャリア教育を、生協では生活の場面からキャリア教育をする。こうして学生が充実した大学生活を送り、社会に巣立っていくのを、私たちは全力で応援することを生業にしています。

松本理事長

Q2.今までの取り組みの中で思い出に残るエピソードはありますか? 学生のパワーで豊かな大学生協へ

中井常務 中井常務

 本当にたくさんありますが、この仕事の大切さを改めて実感したことは、入協したての頃なので、パソコンがスタンダードになる少し前、新入生にパソコンを購入してもらったのですが、その半年後に、「電源を入れるけどつかないので、なんとかしてください」と学生が来られたんです。せっかく高い買い物したのにね。それをきっかけに、「きちんと使えるまで面倒をみよう」ということになり、さらに学生が学生に教えるというパソコン講座を始めることになりました。
 この一件に携わった時に、「購入に留まらず使えるまで面倒とみるという考え方や、学生たちの活躍ぶりを見聞きして、この仕事は楽しいな!大事な仕事をさせてもらっている」と思ったのが最初のエピソードです。
また、生協の食堂にはミールカードという仕組みがあり、今ではアプリから保護者の方にも学生が何を食べたかをお知らせすることができます。一昔前は、プリントにコメントを書いて保護者に郵送していました。そうすると保護者から感謝の手紙が届くこともありましたね。そんな積み重ねのおかげで続けてこられたと思っています。

松本理事長 松本理事長

 私も、あります。20年ぐらい前に島根大学で、「リユース市」という事業を行いました。卒業した先輩の家財を生協と協力して販売したんです。この事業が全国に広がっているんですよ。島根大学発の事業が広がっていることがとても嬉しかったですね。

中井常務 中井常務

 便利なことが広がっていくのは良いですね。それこそ、「大学生協のつながり」ですね。
一方で、大学生協は、各大学の特色や地域性、学生や教職員のニーズに応じて事業を展開できる点も魅力です。購買部で扱う商品も大学ごとに異なり、それぞれの“カラー”が反映されています。興味深いのは「売店」ではなく「購買」と呼ばれる点です。売店が「売りたいもの」を提供するのに対し、購買は「学生や教職員が必要なもの」を提供します。また、ただ物を売るのが目的ではなく、その先には、学んでほしいという思いがあります。食堂では単に食事を提供するのではなく、食のバランスや食育などを支えることが目的です。販売する商品やサービスを通じて学びやキャンパスライフを応援することができるのが、生協の喜びではないでしょうか。

Q3.大学生協とつながったきっかけは? 誰もが有意義な大学生活を送るために

中井常務 中井常務

 私は学生委員をしていたので、関わりは、かれこれ30年になります。学生どうし、時には大人も加わりつつディスカッションしながら企画を練り、いろいろな人を巻き込んでいくという経験を、高校生までは全くしてこなかったので、このシステムを知った時は衝撃でしたね。おかげで充実した4年間を過ごせたことがこの仕事の興味につながりました。

松本理事長 松本理事長

 私は大学卒業後、民間企業に勤め、発展途上国で技術支援に携わっていました。それらの国で思ったことは、技術も大切ですが重要なのは、「人づくり」であることでした。それで、教育者になるために大学へ戻りました。その後、資源や環境エネルギー分野の研究をしながら、国連とも連携し取り組みを進めています。
 その国連で提言されているSDGsのから展開された「持続可能な開発のための教育(ESD)」という手段があります。その中に、「誰一人取り残さない」という考え方があり、これが私の研究テーマでもあります。
 一方で、これらの考え方は、生協の理念とほとんど合致しているんです。だから、私、生協が大好きなんですね。
 さらに加えると、日本の生協には“2030ビジョン(下記)”というのがあり、人材の重要性が示されています。先ほど中井常務が言われた、“働いていて楽しい”と思えるというのは4番目の項目につながると思います。自分らしく輝きながら働き、コラボレーション(つながり合えること)が大学生協の理念なんです。

日本生協の21世紀ビジョン
  • 生涯にわたる心ゆたかな暮らし
  • 安心してくらし続けられる地域社会(大学生協では社会が大学になります)
  • 誰一人取り残さない、持続可能な世界・日本
  • 組合員と生協で働く誰もが活き活きと輝く生協
  • より多くの人々がつながる生協

中井常務

Q4.これからの大学生協への使命は? より質の高い価値で、
豊かな未来へつなげていく

松本理事長 松本理事長

 2025年は国際協同組合年なんです。これは国連が、世界中の取り組みの中から「生協」の活動を重要と評価し、さらなる認知と発展のために今年を国際協同組合年と制定したのです。
 これを皮切りに、 さらに助け合いや、多様な価値観や暮らしを推進したいと考えています。日本では学生数が少なくなっていますが、だからこそ、より質を高めて、どのように教育していくのか。そのためには、冒頭で、大学と大学生協は両輪と申しましたけれども、大学運営を支える柱の一つとして存在感を高めていきたいです。

中井常務 中井常務

 そうですよね。少子化が進む厳しい状況だからこそ、大学における生協の存在意義がますます重要になると感じています。理事長が言われたように、「誰もが活き活きと活動できる環境」をさらに追求していくことで、大学の発展や学生の元気にもつながると思います。
 今、理事長のお話を聞いて、私の先輩が言われた言葉を思い出しました。大学生協にとって要である学生委員会の元気は、大学の活気にもつながると。それを支えるのは生協職員の本気だと。大学と大学生協は密接に結びついており、そこから巣立つ学生たちが新たな社会を築いていく。そのサイクルがあるからこそ、少子化の時代にあっても、この取り組みを深めていくべきだと考えています。

Q5.就職活動をしている学生へメッセージをお願いします。 学生と一緒に楽しみ、
もがいた先には、喜びが
待っている

松本理事長 松本理事長

 教育者の立場からいうと、SDGsなどの目標が掲げられ、みんな平和を願っているにも関わらず、戦争や紛争が絶えない現実があり、生きにくい社会だと思います。だからこそ、多様な意見が存在していることにしっかりと目を向けて、好きなモノ、嫌いなモノを自分で判断してほしいですね。SNSで浮いたような情報も流れてくるけれども、 そういうものに左右され過ぎずに、真の情報を判断して自分で決めてください。

中井常務 中井常務

 就職活動においては、いかに有意義な大学生活を送って来たかが重要だと思います。
学生にとってこの数年間を、どう過ごしたかは、その後の人生にものすごく影響してくるはずです。 大学生協職員は、学生(学生委員)がさまざまな事業を通じて成長していくのを、一番近くで見守ることができます。学生たちと悩みながら、時には激論を展開しながらも、最終的に成し遂げられた時に、学生とともに喜ぶことができます。
 こういう経験を通じて、学生のためにサポートしていることが、最終的には自分のためになっていることに気づくはずです。これがこの仕事の魅力です。
 私は常々、真剣に事業に取り組む大学生の活気を見ていたら、「ここから社会が変わるかもしれない」と思うことがあります。そういった意味では、大学生協職員は、誇りある仕事だと思います。

松本理事長・中井常務

ENTRY

PAGE TOP